インドネシアのダンドゥット
インドネシアの音楽、と聞いて思い浮かべるのはガムランかケチャあたりだろうか?
あと数年前、日本でも一部のクラブシーンではファンコットが流行っていたように思う。
勿論ガムラン、ケチャ、ファンコットも大好きなのだが、私がインドネシアの音楽で一番気になっていたのがダンドゥットだ。
ダンドゥットとは1960〜70年代頃に登場したインドネシアで大ブームを巻き起こした歌謡曲のジャンルである。
もう今から40年前の音楽なので、日本でいうところの演歌みたいな扱いで、もはや現代の若者が聞く音楽ではない。がしかし、その一方で田舎の労働者階級に於いてはいまでもファンが沢山おり、ダンドゥットのカラオケショーなどか地方で行われているという。
音楽のビートが独特で痺れるので一度聞いてみてほしい。
ダンドゥットという名前の由来は、インドネシアの両面太鼓クンダンが出す音色の擬声語からきているらしい。
日本ではあまり知名度がないらしく、日本語でダンドゥットが聞けそうな場所の情報を検索してもなかなかひっかからない。
しかも、新鮮な情報も見当たらず、ダンドゥットを聞きにインドネシアに来たのに聞けるかどうかわからないといった状態だった。
しかし、少ない情報をたよりにそれらしい場所を探してジャカルタの金持ちエリアの外れにあるらしいとのことなのでダメ元でとりあえずその店があるっぽい方向へ進み、やっぱりないっぽい雰囲気が尋常じゃなかったんだけど、あった!あったよダンドゥットの店!!
店の外にタクシーの運ちゃんがたむろしており、結構入りづらい雰囲気だったが意を決して踏み込む。
やってるぞー!ダンドゥット!!!!
店内はキャバクラのようだが、うちらが来ても特におねーちゃんは付かなかった。しかもオーダーも積極的に取りに来る感じではなかったので謎システムに戸惑いながらもビールをオーダー。
一応瓶ビールをおねーちゃんがついでくれる。
一番眺めのいい真ん前ど真ん中をキープし、ダンドゥットに酔いしれる。
生演奏にのせて店のおねーちゃんやダンドゥット歌手のおっさんが歌う様子を見ていたら、天国に来てしまったかのような気持ちになり泣きそうになる。
リクエストをしてお客さんも店のおねーちゃんとデュエットできるシステムのようで、お客さんも参加していた。
バンドは七人編成くらいで、ダンドゥット歌手のおっさん、店のおねーちゃんも含めたら客より間違いなく店側の人間の方が多い。それでも一人千円くらいであんな最高な体験をできるなんて、お得が過ぎる。
私がインドネシア人に生まれていたら、確実にダンドゥットディスコで歌うおねーちゃんになっていたわ。